知っておかないと怖いハラスメント
~2020年から防止法が施行!パワハラ編~

こんにちは。ライターのYです。
私も社会人になって早7年となりますが(計算しないでくださいね)、実はあまり怒られたことがありません。もちろん天才でも超人でもないので、ミスはします。この理由について自己分析をしてみたことがあるんですが、有力なのは「すぐ泣きそうだから」。我ながら、見た目に威圧感がまったくないんです(笑)。街中で道を聞かれやすいタイプ、と言ったら伝わりやすいでしょうか? 実際泣き虫で、映画「旅猫リポート」では開始2分で泣きました。まだ何も起こってねーよ。

それはそうと、まわりを見ると「なんだかあの人はよく怒られてるな」「そんなに変な人じゃないと思うんだけど……」という人、いませんか? 仕事のミスは誰でもしますし、場合によってはお客様との信頼関係に亀裂が入ることもありますから、時には叱責が必要な場面もあるとは思います。ただ、悲しいことに「パワハラ」の労働局への相談件数は年々増えており、過去3年間でパワハラ相談を受けた会社は実に36.3%もあります。それに伴い、パワハラ防止法(正式名称:改正労働施策総合推進法)が2020年6月から大企業で施行されました。中小企業は2022年4月からスタートとなります。

パワハラの難しいところが、指導との線引きが難しく、受け取り手によって判断が異なるというところ。でも、「ハラスメント」に分類されているものは厚生労働省がガイドラインを出しているので、「これって…?」と思ったときには一度確認してみるといいと思います。人事の皆さんの役割には、社員みんなが気持ちよく働ける職場環境づくりもあるはず。理解を深めて、快適な職場環境づくりに役立ててください!

パワーハラスメントとは?

まず、パワハラとは何かから勉強していきましょう!
職場内でのパワーハラスメントとは、職場の人間に対して職務上の地位・人間関係などの優位性を利用して業務の適正な範囲を超え精神的・身体的苦痛を与えるなど、就業環境を害する行為のことです。赤字の3つのポイントがすべて当てはまらない場合はパワハラとして認められません。厚生労働省は2012年にパワーハラスメントの典型例を発表しています。

  1. 身体的な攻撃(殴る・蹴るなどの暴行や傷害)
  2. 精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
  3. 人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
  4. 過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
  5. 過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
  6. 個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

学校で体罰が禁止されてから久しいですが、今年の4月には親による体罰を禁じる法律も施行されました。身体的に攻撃するのは、どこであっても許されません。

また、大勢の前で威圧的に叱責することや「バカ」「役立たず」「給料泥棒」などの暴言は精神的な攻撃とみなされNG。特定の社員を仲間外れにしたり、監視したり、家族のことや思想・宗教、プライベートなことなどに過度に立ち入ることもいけません。

注目したいのが「過大な要求」「過小な要求」
業務に不要なことを押し付けたり、仕事の難易度を上げて結果を出させないようにする、仕事の邪魔をする……といったこともパワハラです。その逆に、能力のある人に対し仕事を与えない(干す)こともパワハラに含まれます。

 

パワハラによる損失

社内でパワハラが発生してしまうと、大きな損失を被ることになります。

  • 職場環境の悪化
  • 社員のモチベーションダウンによる生産性低下
  • 社員の退職など、人的損失
  • ネットへの書き込みや動画投稿などコンプライアンス上のトラブル
  • 企業イメージの悪化、口コミによる応募者の減少
  • 損害賠償請求などによるコスト

このように、その時だけの問題としては済みません。人材が流出したため補填しようと思っても、ネットでの評判が下がっているとなかなか採用も難しくなってしまいます。ネガティブな評判をWeb上から削除することは難しく、依頼したとしても大きな費用がかかってしまいます。

 

社内でのパワハラ発生を防ぐために

長期的な問題になりやすいパワハラ。前述した「パワハラ防止法」の施行もあり、発生させないための働きかけは急務といえます。

パワハラ防止法では、事業主にパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが義務付けられています。これには社内方針の明確化と周知・啓発、相談体制の整備や被害を受けた労働者へのケアや再発防止対策などが挙げられます。

人事・労務担当者が社内の状態を把握して適切に処分できるよう、ハラスメント相談窓口の設置をはじめ、罰則規定の制定や役職者のセミナー受講、社内アンケートの実施などの体制づくりが必要です。パワハラ防止法に違反した場合、行政からの罰則はありませんが、勧告に応じなかった場合は企業名が公表されます。

 

「パワハラかも」と思ったら

社内体制を整えることもそうですが、もしかするとあなたがパワハラ被害を受ける可能性もゼロではありません。パワハラや労災認定を受けるためには証拠が必要になりますので、「もしかして、パワハラ?」と思ったら以下のように対策しましょう。

①パワハラのガイドラインに当てはまりそうかチェック

先にも述べたように、下記の3つを満たさなければパワハラとはいえません。
・優位性のある立場の人から
・業務として妥当な範囲を超えて
・精神的/身体的な苦痛を強いられている
境界線がわからないときはGoogleなどで調べるなどして、自分の状況と当てはまるか確認しましょう。

②メモや日記、録音に残す

日時、場所、期間、内容、誰から受けたかを記録しましょう。事実に加え、そのときのあなたの心身の状態についても記しておきましょう。また、録音するために相手の許可はいりません。無許可の録音データでも裁判においてパワハラの証拠として有効になりますので、身を守るために証拠を押さえておきましょう。

 

こんな言葉もある!「ハラハラ」

ところで、「ハラスメント・ハラスメント(通称ハラハラ)」ってご存じですか?

これは、自分が「イヤだ」と思ったことはなんでも「ハラスメントだ!」と主張する嫌がらせ行為のことです。ハラスメントが世に広まり、被害者が声をあげやすくなったことはとても良いことなのですが、そこからこういった新しいハラスメントも生まれる弊害もありました。

業務上必要な指導や、配慮のために家族構成を聞いただけで「今の、ハラスメントじゃないですか?」と言われてしまうのは困りもの。「ハラハラ」を防ぐためにも、社内でどのようなことがハラスメントにあたるかの周知は効果的です。

 

まとめ

大企業では4月からすでに始まっているパワハラ防止法。中小企業は約2年間の猶予が与えられていますので、まだ対策をとっていない企業は早めに体制を整えることをおすすめします!

  • ハラスメント相談窓口の設置
  • ハラスメントに対する社内ルールや処分内容などの制定と社員への周知
  • 相談があった場合の被害社員へのケア、プライバシー保護

これらを押さえ、早めの運用を開始することで社員が安心して気持ちよく働ける環境を整えましょう!

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