その項目、本当に必要ですか?
3分でわかる最新・履歴書事情

こんにちは、ライターTです。
前回、典型的なサブカル野郎と言われた僕ですが、今回はちょっと真面目なテーマに取り組もうと思います。

それが履歴書。
採用活動を行なっていると必ず目を通す書類の一つですね。人事の皆さんはもちろん、配属先の現場責任者など面接の担当者であれば、ご覧になったことも1枚や2枚ではないでしょう。もし担当者がDIO様だったら、「おまえは今まで読んだ履歴書の枚数をおぼえているのか?」と不敵な笑みを浮かべられそうです。こちらは“グ…”と奥歯を噛みしめるしかありません。わからない人は、『ジョジョの奇妙な冒険』を読んでください。

さて(?)そんな履歴書ですが、今その形が変わりつつあることはご存知でしょうか。

きっかけは、1万筆を超えるオンライン署名

※Change.orgのHPをキャプチャ

2020年6月30日、トランスジェンダーの方々が就職活動で不利益を受けているとして、履歴書の性別欄の削除を求めるオンライン署名が経済産業省に提出されました。その数、およそ1万筆分。LGBTQへの理解が深まるこの時代を象徴するような動きですが、具体的な取り組みや働き方の整備に注力しているのは、まだまだ一部の自治体や企業だけに留まっているのが実態です。一般的な履歴書には性別欄が残ったまま。「そもそも性別を訪ねる合理的理由がない」として、多くの賛同する声が集まりました。

 

履歴書の様式例の削除、文具メーカーも対応へ

経産省側も「個人属性を問うことは適切ではない」との認識で、履歴書の参考元であるJIS規格を発行する一般財団法人日本規格協会へ指導を行いました。7月17日には履歴書の様式例が日本規格協会の公式サイトから削除。そして、10月8日、大手文具メーカーであるコクヨ株式会社が性別欄をなくした履歴書を商品化するための準備に移ったことを発表しました。これまで販売していた性別欄付きの履歴書と併売していくとのことです。

 

顔写真をなくす動きも加速

また、履歴書に貼付する顔写真も無くそうという動きも高まっています。生まれつきのアザや事故・病気による変形、脱毛、アルビノなどの症状を持つ方への偏見に取り組むNPO団体日本アルビニズムネットワークが顔写真を履歴書からなくすよう、「履歴書から写真欄もなくそう」署名キャンペーンを立ち上げました。見た目問題を抱える方だけでなく、外国人やトランスジェンダーの方々も賛同する動きがみられています。

 

アメリカとの比較で見えてくる日本の“偏見”

性別欄や顔写真、そして年齢や婚姻状況。これらを記入する欄は、アメリカの履歴書には一切ありません。これらは雇用差別禁止法という法律により禁止されています。また書式も自由で手書きはNGですので、求職者は自分のスキルや強み、これまでの実績をアピールするために、どんどんアレンジしていけるのです。もちろん、アメリカに差別がないと極論を言うつもりはありませんが、こうして比べてみると日本の履歴書が、“本人の能力・責任”と無関係な事柄を記載する欄が多いように見受けられます。

 

日本企業の取り組みは?

「出たよ。すぐ“アメリカではー”とかいう奴wwwここは日本だっつーの」というツッコミが聞こえた気がしましたが、僕の被害妄想だと思っておきつつ、ここでとある日本企業の取り組みをご紹介します。

日用品・食品大手のユニリーバ・ジャパン株式会社では、今年3月に採用時の応募フォームを一新。性別に関する質問をなくし、ファーストネームから性別を判断されないよう氏名欄も苗字のみにしました。先述したオンライン署名や自治体の取り組みよりも、早い対応ですね。転職サービス・ビズリーチを運営する株式会社ビズリーチでも、応募フォームの性別欄は廃止。先述したコクヨ株式会社もそうですが、こういう柔軟な企業は本当に素敵だと思います。

 

まとめ

こうした取り組みに対して、僕個人はすべて賛成しています。就職活動しているときから、ずっと不思議だったんですよね。「人柄を見ます」と言いつつ書類選考で落ちたり、「顔採用はやりません」と言いながら顔写真の貼付を求職者側に求めたり、あと配偶者の有無ってスキルや実績と並ぶくらい重要な項目なんでしょうか。すでに労使関係にあって書類手続き上に必要な事柄であれば喜んで答えるのですが、書類選考の段階で求められるのは合理的じゃないよなあと思っています。そして、もしこうした偏見を理由に有能な人材と出会えていなかったとしたら、本当に残念でなりません。当事者の方々は、僕の想像以上にネガティブな感情を抱いていたんだろうと思います。

ご紹介した一連の取り組みを、決して“1部の人のためのもの”と捉えず、“そもそも顔写真や性別欄などは本当に必要なのか”、“それは誰のために必要なのか”を今一度考えなおしてみてはいかがでしょうか? 変化していくことは決して悪いことじゃありませんよ。

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