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YouTube採用活動に興味のある企業必見!事例を通じてチャンネル運営のポイントを解説
更新日:2024.11.05
近年、企業がYouTubeを活用した採用活動に注目している背景には、視覚的なメディアとして他コンテンツにはない強みがあるからです。実際に成功している事例も多く、採用活動におけるYouTubeの活用は新たなスタンダードになりつつあります。
本記事ではそんなYouTube採用について、チャンネルの作成方法から解説していきます!
採用活動にYouTubeを活用するメリット
視覚・聴覚から得られる情報の豊かさは、文字情報だけでは伝えきれない魅力を引き出します。さらに、作成した動画はオンライン上でいつでも楽しむことができるため、応募者が自分のペースで情報収集できる点も強みです。
下記では、YouTubeを利用する具体的なメリットを3つ紹介します。
業務・社風の理解が深まる
動画を通じて伝わる業務や社風のリアルな様子は、応募者に対して大きなアピールポイントとなります。写真やテキストでは伝えられない雰囲気や働き方、実際の業務内容を視覚的に示すことができるため、多くの情報を短時間で理解してもらえます。このようなアプローチにより、自社にフィットする人材が集まりやすくなり、適切な採用につながる傾向があります。加えて、動画の親しみやすさが応募者の心を開く効果もあるでしょう。
求人媒体や人材紹介を経由した応募では条件面で応募されることが多い一方、動画を見た応募者は社風が自分に合いそうかを事前に判断できるため、カルチャーフィットする人材からの応募が増加。入社後の退職率軽減にもつながります。
潜在層の獲得につながる
Google日本法人によると、2024年5月時点のYouTube国内視聴ユーザー(18歳以上)は7,370万人を超過。転職希望の有無に限らず、多くの人の目に触れる機会があります。YouTubeでは視聴履歴と似た動画をおすすめしてくれる機能があり、会社のことを知らなくても視聴につながることも。企業が提供するコンテンツが魅力的であれば、転職を考えていない視聴者も興味を持ち、将来的な応募者として関わりを持つきっかけになることが期待できます。
さらに、YouTube動画は他の求人媒体と違って制限が少なく、自社のオリジナリティを出すことができます。作った動画は採用イベントで使ったり、SNSにアップしたりと他の媒体でも活用できるため、未発掘の人材を採用できるチャンスが増え、企業にとってプラスαの効果が見込まれます。
社員同士のコミュニケーションが活性化
副次的な効果として、YouTubeチャンネルの運用を通じて、社員同士のコミュニケーションが促進されます。動画作成を行うことで社員間の連携向上に寄与したり、動画を見ることで自社の魅力を再発見したりと、自社に対する誇りや理解を深める機会が増えます。
このようなポジティブな影響は、結果として企業全体の雰囲気をより良くし、社内のコミュニケーションを活発にします。
YouTubeチャンネルの運用手順
次に「YouTube採用をやってみたいけど始め方がわからない」という方に向けて、開設から運用準備まで、以下で説明していきます。
1.チャンネルの開設
まずは企業専用のYouTubeチャンネルを作成しましょう。特別な手順や費用はなく、インターネット環境があれば誰でも作成できます。
このアカウントがあることにより、様々な動画を管理したり、視聴データや分析情報を取得したりすることが可能になります。また、個人アカウントとは分けておくことで、企業のブランディングに特化した運営がしやすくなります。企業のイメージを強固にするためにも、専門的なチャンネル運営がおすすめです。
Googleアカウントでログイン
まず最初に、YouTubeチャンネルを作成するためにはGoogleアカウントが必要です。既にアカウントをお持ちの方は、そのアカウントを利用してログインしてください。作成または既存のGoogleアカウントにログインした後、YouTubeにもログインします。
チャンネルの作成
ログインしたら、YouTubeにアクセスしてチャンネル作成を開始します。まず、右上のアカウントにカーソルを合わせて表示されるサイドバーから「設定」をクリックします。そして「新しいチャンネルを作成する」を選びます。次に、企業名やブランド名を含むチャンネル名を設定します。このチャンネル名は後から変更することも可能です。
チャンネルを作成したら、引き続き「詳細設定」を選んで設定を進めます。動画を投稿するだけでなく、コメントやフィードバックに対応することで、視聴者とのコミュニケーションを充実させましょう。これにより、求職者とのエンゲージメントを高め、ブランド認知度の向上を図ることができます。
ブランドアカウント
企業は個人アカウントではなく、「ブランドアカウント」の選択を推奨します。このタイプのアカウントを利用することで、複数人でチャンネルの管理を行ったり、共同作業ができたりするようになります。担当者が複数いる企業にとっては、ブランドアカウントを用いることで、よりスムーズな運用が可能となります。
2.チャンネルカスタマイズ
チャンネルのカスタマイズは、視聴者に魅力を伝える重要なステップです。企業のイメージを反映したデザインや内容にすることで、ブランディングを強化できます。これによって、視聴者がチャンネルを訪れた際の第一印象を大きく左右することになります。
動画を投稿する「YouTubeStudio」の画面左下に「カスタマイズ」があるので、クリックすれば簡単にチャンネルのカスタマイズが可能です。
基本情報
チャンネルページを整えることは、他の企業との差別化を図るためにも重要です。チャンネルの目的や雰囲気を明確に記載することで、登録者の獲得に繋がります。また、情報が整理されていることで、興味を持った視聴者を企業ページなどに誘導しやすくなります。
基本情報にはチャンネルの名称やバナー、概要欄が含まれます。特に概要欄には説明だけでなくリンクなども組み込めるため、採用サイトや採用LPなど、視聴者に訪れてほしいリンクを掲載することが推奨されます。
また、投稿する動画の概要欄にも動画に関連するサイトのリンクやチャンネル内の関連動画、参考動画のリンクを掲載することで、他への流入を行うことが可能です。動画の場合はハッシュタグを利用することで検索結果に表示されやすくなるため、概要欄にもこだわるようにしましょう。
ブランディング設定
ブランディング設定では、企業のロゴやデザインテーマを活用して統一感を出します。具体的には、チャンネルのアイコンや背景となるバナー画像を設定し、ブランドイメージを一貫させます。
▼プロフィール写真
・アスペクト比1:1
・98×98px以上(4MB以下)
・JPG、PNG、BMP、アニメーションなしのGIF
▼バナー画像
・アスペクト比16:9
・2048×1152px以上(6MB以下)
・JPG、PNG、BMP、アニメーションなしのGIF
このような視覚的要素を正確に設定することで、視聴者に強い印象を与えるとともに、企業に対する信頼性や魅力を高めることが可能です。
レイアウト
動画をカテゴリー別に整理することで、視聴者が動画を探しやすくなり、「見つけたい情報」「伝えたい情報」を的確に提供しやすくなります。また、新着動画や人気動画を前面に配置することで、視聴者は関心のあるコンテンツにアクセスしやすくなります。
「動画スポットライト」は、YouTubeチャンネルのトップにおすすめ動画を大きく表示して視聴を促す機能です。チャンネル登録者向け、未登録者向けにそれぞれ設定することができます。
「注目セクション」は、チャンネルページの下部に視聴してほしい動画を複数並べられる機能です。人気のアップロード動画や再生リストなどを追加することで、一目で「どんな動画を上げているチャンネルなのか」ということを伝えられます。
これらの設定はチャンネル開設後、動画をいくつかアップロードした後に設定を行います。
3.運用にかかる費用相場
YouTubeチャンネルの開設自体は無料で行えますが、運用にはさまざまな費用が発生します。特に、動画制作にかかるコストや広告宣伝費は重要な要素となるでしょう。
大掛かりな撮影が必要になる場合や多くの出演者が発生するケースなど、内容によって大きく変わるため、金額は一概には言えません。撮影の際、スマホや一眼レフを使用するか、プロのカメラマンに依頼するかによっても費用は大きく異なります。また、編集も自社内で行うのか委託するのかなどにより、工程やコストが変化していきます。
予算・質・頻度のバランスを考えながら、必要なリソースを見積もっていくことで、効果的な運用につながります。
採用動画制作のポイント
採用動画を制作する際には、いくつかの重要なポイントがあります。これらについては、動画以外の採用シーンでも共通して求められる点です。意識して制作することで、より効果的に企業の魅力を伝え、ターゲットとなる求職者にアプローチできるようになります。
動画の目的を明確にする
採用動画を制作する前に、どのような目的を持つかをはっきりさせておきましょう。企業の採用広報活動の一環として、具体的な内容やメッセージを設定することが重要です。たとえば、新卒採用を目的とする場合は、学生が知りたい情報を考慮に入れる必要があります。ターゲット層の特性を理解し、そのニーズに応えられるような内容にすることがポイントです。
自社の魅力をリアルに伝える
自社のリアルな姿を伝えることは、採用活動において重要な要素です。会社の雰囲気や業務内容をしっかりと映し出すことで、視聴者に実際のイメージを持ってもらいやすくなります。特に映像を通じて、社員の表情や言葉が伝わることで、より親しみが感じられる動画になります。これにより、応募者が自分に合った職場かどうかを判断しやすくする効果があります。
YouTubeを通じて採用活動を行う際には、動画ならではのポイントを意識して、できるだけ質の高いコンテンツを制作することが望まれます。
注意点と対策
採用活動をYouTubeで行う際には、いくつかの注意点を意識する必要があります。適切な対策を講じることで、より効果的な採用広報が可能となります。以下の点に留意してコンテンツを制作し、YouTube採用を成功につなげましょう。
自社PRばかりをしない
採用動画を制作する際、自社PRに偏りすぎてしまうと、視聴者からの関心が薄れてしまうことがあります。確かに、自社の魅力を伝えることは重要ですが、それだけに専念しては視聴者に退屈感を与えてしまう可能性もあります。応募を増やし、企業の理解を深めるためには、採用候補者にとって有益な情報を届けることも大切です。
例えば、就活のアドバイスなどは、応募者にとっても役に立つ情報です。また業種によっては、ストレッチの方法など、求職者以外にも役立つコンテンツを投稿することも閲覧を増やす一手です。採用に向けて企業情報を紹介する際、視聴者が何を見たいかを考えて、業界に関する知識や知見を提供することで、視聴者の興味を引き続き維持できます。このようにして、広範な情報を交えることで、視聴者にとって価値のある動画を作成することが可能になります。
バズる動画を意識しすぎない
バズる動画を作成することに過度に意識を集中させるのも問題です。流行を追いかけることは重要ですが、採用動画においては一貫性やブランドイメージが大切です。短期的な人気よりも、長期的に自社の価値を伝えることに重きを置いた方が効果的である場合が多いです。
また、動画がバズれば認知は広まりますが、内容や求める層によっては望む人材が来ずに、無駄な面接や選考の時間が増えるかもしれません。どうすれば見てもらえるのかを考えつつ、届けるべき情報を間違えないことが大切です。この見極めがYouTubeチャンネルで問われる技量です。
運用体制の整備
企業が採用動画を制作する際には、運用体制の整備が不可欠です。YouTubeチャンネルを始めても成果が出ない企業の原因で最も多いのが、中途半端にやめてしまうことです。映像が流れ続けるテレビと異なり、YouTubeは視聴者が見たい動画を自分で検索しなければならず、仮に見始めても冒頭の3秒間で40%が離脱すると言われています。このため、定期的なコンテンツの更新とフィードバックを受け入れる体制が成功の鍵となります。
動画を投稿し続け、分析と改善を繰り返し、採用活動が効果的に進められるまで根気よく続けることが重要です。また、各種の情報やデータをきちんと管理し、活用することが求められます。
YouTubeアナリティクス
YouTubeアナリティクスを活用することで、動画の視聴状況や効果を詳細に把握できます。視聴者維持率や視聴者の属性(年齢や性別)、トラフィックソース、インプレッションとクリック率などを分析できます。
例えば、インプレッションが多くてもクリック率が低い場合は、タイトルやサムネイル画像の改善が必要かもしれません。このデータを元に次回の動画制作や改善点を見つけることができ、より効果的な採用活動を展開することが期待できます。YouTubeアナリティクスを駆使してデータを最大限に活用することが、YouTube採用の成功への鍵となります。
企業の成功事例
これらの事例からは、効果的な採用手法や動画の使い方に関する貴重な洞察を得られます。特に、成功を収めた企業のアプローチは、他の企業にとっても参考になることが多いでしょう。
1.サイボウズ採用公式チャンネル
サイボウズ株式会社の運営する採用公式チャンネルは、イラストの使用とパステルカラーを中心としたサムネイルが特徴的。企業の文化や職場環境をリアルに伝える非常に効果的なコンテンツを提供しています。
2021年にYouTubeチャンネルを開設し、これまでに約40本の動画を投稿(2024年11月時点)。このチャンネルでは、バーチャルオフィスツアーや社員インタビューを通じて、未来の応募者に強い訴求力を持つことが特徴です。バーチャルツアーの動画ではオフィスの空気感をリアルに伝え、視聴者が自分ごと化しやすくさせています。また、社員同士の会話を通じて、写真や文字では伝わらない仲のよさや雰囲気を伝えています。
普段の業務や職場の雰囲気を動画で見ることで、採用サイト以上の理解を得ることができ、視聴者に強い印象を与えられます。
2.Rakuten Careers
きっと誰もが買い物をしたことある楽天グループでは、新卒採用を目的としたコンテンツにおいて、会社の事業紹介や社員の働き方をフィーチャーした動画を多数投稿しています。
特にユニークなのは、面接対策やエントリーシートの添削に関するノウハウを提供していること。これにより、同社へ応募を考えている就活生以外にも役立ち、再生回数を伸ばすことができます。このアプローチは求職者との信頼関係を築き、応募意欲を高める効果を上げています。再生回数が上がれば目につく機会も増え、結果的に自社への応募数増加へも繋がっていきます。
3.癒やしのラフィネch.
癒やしのラフィネch.は、全国にリラクゼーションスペースを展開するラフィネグループの採用チャンネルです。このチャンネルではセラピストの日常や職場環境について詳しく伝えることで、視聴者の関心を惹きつけています。
採用以外にも、健康に関するノウハウを提供する動画も投稿していることが特徴。例えばセラピストが教える膝痛の予防や代謝アップの方法など、実用的な情報を発信しています。これにより、自社のPRや採用情報を一方的に伝えるだけでなく、視聴者が見たくなる内容を提供することで、興味を持ってもらうことができます。
こうした動画活用の事例は、採用活動における効果的な動画コンテンツの作り方について考える上で、非常に参考になるでしょう。
まとめ
YouTubeを活用した採用活動は、多くの企業にとって新しい可能性を開く手段となっています。今までの採用方法とは異なり、視覚的に情報を伝えることで、企業の魅力や社風をより効果的に届けることができる点が大きな特徴です。これまで紹介した成功事例からも、独自性の高い多様なアプローチが存在することが明らかです。
将来的には、採用市場がさらに競争激化することが予想されます。そんな中でも、動画を用いた採用活動は、求職者にとって有益な情報源となりつつあります。企業にとって、この流れに遅れず適応することが重要です。
新しい技術が進化する中で、自社の特性や価値を最大限に活かし、次世代の人材を引き寄せるための方法を模索していくことが求められます。