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一人当たりの採用コストはいくら?新卒・中途の平均コストから削減方法まで紹介
更新日:2024.11.07
企業における採用活動は、経営戦略の一環として非常に重要です。その中で「一人当たりにどれだけの採用費用をかけるか」を考えることは、全体の予算管理や採用戦略の見直しにおいて大きく役立ちます。また、他の企業が一人当たりどれだけの採用費用をかけているかを知ることも重要です。
さらに、おすすめの求人サービスを利用することで、採用活動におけるコストを抑えることができます。効率的な採用活動を実現するために、ぜひ参考にしてください。
採用にかかる費用とは?内訳と詳細を確認
一人当たりの採用にかかる費用は、大きく分けて外部コストと内部コストの2種類です。まずは、それぞれの特徴や具体的な項目について整理しましょう。
外部コストの詳細
外部コストは社外に対して支払ったコストを指します。この費用は、求人情報を公開しているポータルサイトや転職エージェントへの支払いが中心です。それ以外にも、採用パンフレットや自社の採用ページを作成してもらう費用など、採用に関わる外注サービス代はすべて外部コストに含まれます。
専門的な知識や技術を要する外部コストは、内部コストよりも高額になる傾向があります。これらの費用は自社を多くの人に知ってもらうために必要ですが、定期的にコストを見直すことが重要です。ただし、PRコストを削減しすぎると露出機会が減り、逆効果になってしまう場合があります。バランスの取れたコスト配分を意識することが重要です。
内部コストの詳細
内部コストは主に社内業務で発生したコストを意味し、その多くは採用活動に従事する人事部門の担当者にかかる人件費です。具体的には、面接や選考にかかる時間やリソースの配分もこのコストに含まれます。
内部コストの大きな特徴は、その正確な費用や内訳を判断しづらい点にあります。外部コストは請求書の金額を足し合わせるだけで合計額を計算できますが、内部コストは給与に含まれているため、厳密にいくらかかっているのかを把握するのが難しいのです。
そのため、コスト削減を図るには業務効率を向上させる施策が不可欠です。人件費がメインですので、必要に応じて採用担当者の数を適切に調整することで内部コストを管理することが求められます。ただし、採用担当者を減らしすぎると1人あたりの負担が増え、採用業務の質が低下する恐れがあるため注意が必要です。
一人当たりの採用コストの計算方法とは?
採用コストの計算方法は、単純に考えると「外部コスト+内部コスト」です。ただし、この計算方法で算出するコストは『総費用』となります。採用単価は、実際に採用に至った人1人当たりにかかった経費を指します。
全体の採用コストを求める際には、外部コストと内部コストを合算し、その合計を採用人数で割ります。また、単純な採用単価だけでなくカテゴリ別の採用単価も算出することで、より詳しい分析が行えます。
新卒採用の平均コスト
新卒採用における平均コストは、企業が人材を採用する際の重要な指標となります。このコストは、採用活動にかかるさまざまな費用を考慮して算出されており、業種や地域によって異なることも多いです。
リクルートが発表した『就職白書2020』によると、2018年における新卒採用の1人当たりの平均採用コストは71.5万円、2019年は93.6万円となっています。
この増加傾向の理由としては、「採用に携わる人数が増えている」ことが挙げられます。激化する企業間競争に備えるため、優秀な新卒を獲得するために、内部コストをしっかりと投じている企業が増えているのです。また、物価上昇などによる賃上げも行われているため、今後も内部コストは上昇傾向になると思われます。
中途採用の平均コスト
『就職白書2020』のデータによれば、中途採用の一人当たりの平均採用コストは2018年で83万円、2019年で103.3万円とされています。アルバイトや新卒採用に比べて中途採用のコストが高くなる主な理由は、求める人材の幅が広く、理想の採用を叶えることが難しいためです。
特に中途採用の場合、業界や職種に応じたスキルセットが必要とされ、それに伴い広告戦略や採用プロセスも変わってきます。ポテンシャルを重視する「ポテンシャル採用」と、即戦力としての経験や実績を重視する「即戦力採用」では、採用コストも大きく異なります。ポテンシャル採用はコストが低く抑えられる一方で、即戦力を求める採用はコストが高くなる傾向があります。
採用コストの推移
採用コストは年々変動しており、その推移を把握することは企業経営において重要です。過去数年間のデータでは、全体的に採用コストが上昇傾向にあることが伺えます。先ほどの『就職白書2020』によれば、新卒採用も中途採用も2018年から2019年の1年間で20万円ほど増加していました。
今後も少子高齢化などの影響で有効求人倍率の増加が見込まれていることを考えると、採用コストは引き続き上がっていく可能性が高いといえます。ただ、新型コロナウイルスの影響で「採用活動のWEB化」が進んだことにより、採用コストが下がる例も見られるようになってきました。最新の『就職白書2022』によると、採用活動のWEB化が採用活動の費用削減につながった企業は66.4%に達しています。これは、コスト上では大きな変革といえるかもしれません。
ただし、WEBによる採用活動は対面に比べるとコミュニケーションが取りにくかったり、企業の魅力や学生の人柄が分かりにくかったりする課題もあります。デジタルメディアやソーシャルメディアを利用した新しい求人手法が普及する一方で、従来型の広告費用も依然として重要でしょう。採用コストは単なる数字ではなく、企業戦略に直結する要素となってきています。
採用コストを削減するための具体的な方法
ここでは、採用コストを抑えるための具体的な方法について検討していきます。業務フローを整理し、重複するプロセスを排除することで、採用活動にかかる総コストを大幅に引き下げることができます。
1.採用コストの見直し
まず、現在どれくらいの採用コストがかかっているのかを確認し、過去のデータを基に詳細な分析を行います。無駄な支出や非効率なプロセスを特定し、効果がない求人ツールにコストを払い続けていないか確認しましょう。
また、システム導入により削減可能な人件費がないか、外部発注で削減可能な内部コストがないかを確認します。こうして過去数年間の費用対効果を細かく分析することで、流動的な市場環境に適応できるようになります。
2.ダイレクトリクルーティングの活用
ダイレクトリクルーティングは、一企業が求職者に直接スカウトやアプローチを行う採用方法です。企業はこれを利用することで、自社の文化やニーズに合致した候補者をピンポイントで選ぶことができ、広告を利用せずに優秀な人材を獲得できます。
ダイレクトリクルーティングサイトの利用は求人サイトの広告費用と比べて採用単価を抑えられるため、外部コストの削減が可能である点が大きなメリットです。
一方で、候補者の選定に時間がかかることや、人材ごとに個別にメッセージ文面を作成する必要があるため、内部コストが高くなる傾向があります。
3.リファラル採用の導入
リファラル採用は、社員の家族や友人などを紹介によって採用する手法です。候補者の多くは社員を通じてあらかじめ会社の文化や環境について知っているため、マッチ率が高いことが特徴です。
リファラル採用は、外部サービスを利用せずに導入できるため、広告費などの外部コストを大幅に削減することができます。内部コストとしては、人材を紹介してくれた社員に支払うインセンティブ費用が発生します。ですがインセンティブの金額は数万円から数十万円程度なので、人材紹介サービスの紹介料と比べるとはるかに安価です。
ただし、人材を確実に採用できるかは予測が難しいため、通常の求人広告などと併用することがおすすめです。また、近年では退職者を対象とする「アルムナイ採用」も増えてきています。
4.採用サイトの活用
自社の採用HPや専用ページを利用する場合、求人媒体に広告を掲載するよりも費用を抑えられます。Indeedや求人ボックスなどの求人検索エンジンと連動させることで、自動的に閲覧数を増やすことができ、多くの人からのアクセスが期待できます。企業の知名度が上がれば、自然にアクセスする求職者も増えるでしょう。
さらに、求人媒体に掲載する場合と比べて、採用サイトでは原稿の大きさや内容に制限がありません。画像や動画を交えながら、会社の魅力や雰囲気を効果的に伝える自由な表現が可能です。
自由度が高い分「求職者にとって見やすい構成になっているか」「文章が読みやすいように書かれているか」のチェックを徹底し、より活用しやすいコンテンツを目指しましょう。
5.ミスマッチを防ぐための内定者フォロー
入社前からのフォローを行うことで、職場に対する期待や不安を軽減し、早期離職のリスクを減少させます。これにより、一人当たりの採用コストの対効果を向上させることができます。
新卒や中途の採用には一人当たり約100万円のコストがかかりますが、フォロー不足で早期退職されればこのコストが無駄になってしまいます。特に中小企業では無視できない金額のため、対策が欠かせません。
6.DXによる作業効率化
採用の段階での効率化を図るためにテクノロジーを導入することも重要です。
ATS(Applicant Tracking System)やAIを活用した初期スクリーニングツールを使うことで、適切な候補者を迅速に選び出し、人材をより効果的にマッチングさせることができます。様々な手段を組み合わせ、全体最適を考えることで、採用コストを削減しつつも効果的な人材採用を実現することが可能です。
7.採用代行サービスの導入
採用代行サービスは、効率的な採用活動を実現するための有力な選択肢です。このサービスを導入することで、企業は採用プロセス全体を外部の「採用のプロ」に委託でき、内部リソースをより重要な業務に集中させることが可能です。
さらに、専門家の知見を活かすことで、採用活動の質を向上させることができます。具体的には、より効果的なターゲティングや選考手法の導入が可能となり、最適な人材を見つける確率が高まります。採用業務全般を依頼することも、採用業務の一部のみを委託することも可能であり、企業のニーズや予算に応じて柔軟に対応できるのが魅力です。
このように、採用代行サービスは効率性と質の両面で採用活動をサポートし、企業の成長を促す重要な要素として注目されています。一時的な外部コストは上がりますが、全体的な採用コスト自体を削減する効果が期待されます。
まとめ:一人当たりの採用コストを見直し、効果的な採用を実現しよう
一人当たりの採用コストは、企業の採用活動において非常に重要な要素です。新卒や中途採用にかかるコストを詳細に分析し、必要な改善点を見つけることで、効率的な採用活動が実現可能となります。
新卒採用においては、学生が多くの企業に応募するため、目立つための戦略が求められます。一方、中途採用においては、よりスキルや経験に応じたターゲティングが必要です。目的によりマッチした採用活動にコストを集中させることで、限られた予算を最大限に活用することができるでしょう。
また、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用、採用代行サービスの利用は、採用の質の向上とコスト削減を同時に実現できる手段として注目されています。こうした新たな採用手法を取り入れることで、企業全体の競争力を強化する効果が見込まれます。